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取り留めないことをときに熱くときにぐだぐだと語ってますw
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ほんとうは少し前・・・ううん、アカデミーの頃から気付いていたかもしれない。

額と額をくっつけて、本当に楽しそうに。

本当に幸せそうに笑う、君達に。


桜が咲き誇る4月。
ぼく等はそれぞれの道を歩き出す。

「きれーねえ~」
イノがそっと風に遊ばれる髪を抑えながら、華麗に、そして儚く踊る桜の花びらに魅入られたように呟く。
「あの二人も、一緒だったら良かったのに」
ぼそり、とイノの隣を歩いていた今見ている花と同じ名前と髪色を持つサクラが呟く。
「元気でやってるかな?」
今はいない、彼らへ向けられた言葉。
「ナルトは元気だろー!!!」
絶対馬鹿やってるって!!!
キバが大きくなった赤丸を抱きながら言えばキャン!と同意するように赤丸が吼える。
「シカマルはきっとそんなナルトにめんどくせーって言いながら付き合ってるんだよね」
きっと。
微笑みながらチョウジが言えばうむ、とシノが、皆が頷いた。

あの頃よりも皆、背も伸びて、髪形も変わって、顔付きだって子供からオトナへと変化して。

皆、みんな、誰もが変わったようで変わってないんだよ。

額をくっつけて笑い合ってた二人の、見えない絆。
あまりにも綺麗過ぎて、あまりにも儚かった。

それはまるで、舞い散る今見ている桜の花びらが散る姿にも似ていて。

あの時、それを口にすれば何か違っていたのかな?離れてからずっと考えていたけれど。

「俺達が変わったようにあの二人も変わっただろう。だが、きっと」

ネジが言葉を切るけれど、ここにいる皆も分かってる。

「きっと・・・・変わってないよね、二人とも・・・」

ヒナタの声に応えるように桜の花びらが目の前を覆うように。
まるで、あの日二人が姿を消した、あの晴れ渡る済んだ青空へと。


今、君達は幸せですか?
ぼく等もそれぞれの道を歩き出したけれど、君達が大切な友達であることはいつまでも変わらないから。
いつでも君達が帰ってくることを待ってます。


密かに今はいないかれ等へと思いを馳せたチョウジの言葉を届けるかのように、桜の花びらが次々に空へと吸い込まれるように流れていった。


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その日、木の葉の里は新たなる門出を迎えていた。

「おめでとう!5代目!!」
「まっさかお前がなるとはね~」
「面倒くさがりが、大丈夫なのー?」
次々に昔からの仲間が笑顔で祝いの言葉とからかいの言葉を投げかける。里の人々も若くして5代目に就任した若者に祝福の言葉を口にし新たに火影となった青年は少しばかり――幼い頃からの彼の態度に比べれば格段に良くなって入るが――気だるそうに、けれど力強く応える。

おめでとうシカマル!いや、5代目火影様―――――


めでたやめでた、と里中がお祝いムードの中、かつて少年だった青年は笑う。
漸く、この時が来たと。
あの日、壊れた心を誰に知られることもなく。
愚かなる里の人間誰にも、ただの一人も知る事なく。
たった一つの望みを叶える為に。

ここまで来た、と5代目火影は嗤う。
待ち望んだ日がついに来た、と。

さあ、失った半身を取り戻そうか。


この日、木の葉の里は全ての人々に笑みを齎した日。

再び、里の運命の歯車が動き出した――――
今日も今日とて、今宵も相変わらず。
一つ、齢をとっても忍びである限り・・・特に暗部に属している限りなくなりはしないであろう、赤き華咲く夜。
それでも。

「今夜も月が冴えてるな、っと」
クナイに付いた血を払いながら満天に輝く夜空を見上げて。少しばかりやさぐれた風に呟く君にふ、と笑ってしまう。
「ああ。お陰で流れ星も良く見えるってか」
「うわ~、お前が流れ星って!」
似合わね~とお互いの気配しかなくなった夜の世界に暗部の面を外して弧刃<このは>が笑う。
「はいはいはい、どうせ俺には似合いませんよ。お前みたいな面と違ってな」
こんな面だし、と面を外す。顕になったその顔は、確かにロマンチストには程遠いほど精悍な顔をしていて。男臭いその顔を己の父親と瓜二つと幼い頃から称されていれば嫌でも自覚はあるので、まあ、ロマンチストとは程遠いよな、と適当に言葉を返せば。
「むっ!俺みたいな面って何だよ!!」
女性が見たら王子様みたい、と称される弧刃の美しい顔が幼い子供のように膨れる様に内心笑みが零れるも、平時と変わりない目で顔を指を指す。
「そんなツラ」
「影火<えいか>!」
普段は暗部の長として。冷静沈着で、声を荒げるだなんて可愛らしく感情を読ませることなどない”殺戮人形”なんて暗部連中にも畏怖される弧刃の、自分だけに見せる表情が。
弧刃と並んで一切の表情を見せることのない冷静沈着な影火は”顔なし”なんて自分が呼ばれていることなんて知っているのに。
「~~~!なんだってばよ、その顔は~!!!」
「だって、お前・・・」
くくく、と喉奥で笑いながらも込み上げてくる想いは弧刃と同じ時を過ごす毎に大きくなって。
ふう、と一息ついてもう一度空を見上げる。
似合わない事をする夜もたまにはいいかと未だ憤慨している弧刃に囁く。


「月が綺麗ですね(I Love You)
昼間は嫌いだ。
「サクラちゃん好きだってばよー!!!!!」
今日は7班との合同任務。相変わらずサクラを追いかけ回すナルトに、
「ナルトうざっ!助けてサスケくぅ~ん」
サスケを追いかけるサクラ。「くだらねぇ。チッどべが手間かけてんじゃねえよ!」
「やあ、みんな若いねえ。…ナルトの腹チラ見え♪(ボソッ)」
何だかんだ文句をいいつつナルトを気にしてるサスケにナルトに関して変態振りを発揮し始めたカカシ。

「…めんどくせー」
それを眺めてたシカマルはボソリと口癖になっている言葉を吐き出す。

昼間のあのこはいつだって明るくて。
真昼に輝く太陽みたいににししと笑ってる。
悪戯しまくって迷惑ばかりかける悪ガキだけど、ホントは寂しがり屋で頑張ってる誰よりも優しいあのこ。
直視できない太陽みたいに眩しくて、笑い掛けて行く姿は日の光の中に消えてしまいそう。
だから日中は嫌いだ。
大切なあのこを解かしてしまいそうで。
手の届かない場所へと連れていかれそうだから。





「今夜はツーマンセルで行く。SSランクだ、と言っても俺とお前ならAランク程度にしか感じないな」
顔を覆われている中で唯一露になっている目を細めて挑発する孤刃に帆叢もにっと笑い返す。
「そりゃ光栄ですこと」

夜は好きだ。

眩しいばかりの太陽は身を潜め、静かにきらめく星々が宵闇に輝く。
闇が潜めく濃紺の空に駆け抜ける細い金の光はまるで、眠りを守る青い月の様で。
血塗られた地面に立つ、匂い立つ姿は人を時に狂わせる赤い月の様で。
闇を手繰るこの手で触れられなくとも優しくも柔らかくて夜でこそ輝く月を見失いはしないから。




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